ソフトバンクは17日、沖縄・セルラースタジアム那覇で行われた西武戦に5-1で逆転勝ちした。故郷・沖縄で先発した東浜が7回無失点と好投。8回に1点を先制されたものの、土壇場の9回に柳田、グラシアルの連続適時打などで一挙に5点を奪って逆転に成功した。9回はモイネロがなんとか凌いで、連敗を3で止めた。
息詰まる投手戦が、一気に激流に変わった。8回。2番手の津森が外崎に先制打を浴びて1点を先行された。打線は西武先発の與座の前に散発4安打でゼロ行進が続いていた。敗色濃厚と思われた9回に西武の平良を打ち崩した。
先頭の代打デスパイネが四球を選んで出塁。続く牧原大は死球を受けて無死一、二塁となった。ここで柳田が一、二塁間を破る適時打を放って同点に。続くグラシアルも適時打で続いて試合をひっくり返した。相手のミスなどもあってこの回一挙に5点を奪って、一気に勝利を呼び込んだ。
逆転劇を呼んだのは、9回先頭のデスパイネの四球。ただ、これより前に代打起用の可能性がある場面があった。8回だ。
両チーム無得点のままだった8回。ソフトバンクは2死から8番の今宮が安打を放って出塁。ここで打席には9番の甲斐が入った。だが、ここでソフトバンクベンチは動かなかった。藤本博史監督は「得点圏だったら(代打を)いってましたよ。ただ、ランナー一塁なら2本ヒットがいるから」と説明する。
捕手事情も絡んでくる。「たとえば0対0とか、1点差のゲームで(控え捕手の)海野というのは、抑えの投手じゃしんどいんじゃないかな、というのもあった。得点圏なら勝負をかけようというのはあったけどね」と明かす藤本監督。連打の出る可能性、正捕手の甲斐を下げるリスク……。それらを天秤にかけた末に動かなかったのだという。
結果的に9回先頭で出塁したデスパイネが四球を選び、これが逆転劇の口火を切ることになった。指揮官は「もう1点差やからね。三森の状態もちょっと今は良くない。一発にかけたっていうかね。四球をよく選んでくれました。柳田もよく打ったし、グラシアルもよく打った。平良から点とったっていうのはね、これは自信になっていくんじゃないかな。今日勝ったっていうのはすごく大きいですよ」と、連敗を止めた1勝に手応えを感じていた。