4年目捕手・渡邉陸の起用法に込めた意味と期待 鷹の新たな“育成計画”とは?
「3連戦をどうリードするのかっていう経験を積ますためにわざとこういう配置に」
こうなると、なかなか捕手を十分に鍛えることはできない。体力面はもちろんのこと、目の前の1試合を抑えるためのリードと、3連戦を見据えたリード、さらには1年間を見通したリードは全くの別物になる。小久保2軍監督はこの3連戦、九鬼隆平捕手を3軍戦に出場させ、渡邉陸を起用し続けることにした。意図をこう説明する。
「体力的にもそうですし、頭脳的にも、将来のレギュラーを、甲斐拓也の後を狙おうかっていう選手にその経験させないというのはよくないこと。3連戦をどうリードするのかっていう経験を積ますためにわざとこういう配置にしている。多分、想像を絶するぐらいの疲労感があるでしょうし、甲斐拓也の偉大さ、過去で言えば、城島健司がフルイニング出た、そういうのがいかにキャッチャーとしてすごいことだっていうことも実感すると思う」
これまでは若手の実戦出場の機会が少なく、出来るだけ多くの選手に出場機会を与えるため、2軍戦でも機会を分散させる必要があった。だが、ソフトバンクは今季から3軍制を拡充。多くの育成選手をチームに加えると共に、九州アジアリーグや四国アイランドリーグ、大学、社会人チームなどと積極的に交流戦を組み、年間140試合前後を目標に試合数を増加させている。2軍戦の裏で3軍戦が組まれていることも多く、今回のような捕手の起用プランも可能になった。