4年目捕手・渡邉陸の起用法に込めた意味と期待 鷹の新たな“育成計画”とは?

ソフトバンク・渡邉陸【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・渡邉陸【写真:藤浦一都】

小久保2軍監督が「今までやったことない」と語る新たな試み

 球団からの期待の大きさがヒシヒシと伝わってくる。ソフトバンクで4年目を迎える渡邉陸捕手。2018年の育成ドラフト1巡目で神村学園から入団し、昨年8月末に支配下契約を勝ち取った21歳へ球団としても新たな取り組みとなる“英才教育”がスタートした。

 4月29日のウエスタン・リーグ阪神戦でスタメンマスクを被った渡邉は、翌日の30日、そして翌々日の5月1日の同戦でもスタメンで出場した。3連戦全てでのスタメン出場。これが実はファームでは異例の試みだった。小久保裕紀2軍監督も「今まで2軍でそんなことやったことない。今年3軍の試合が増えているんで、初めてできる試み」と明かした。

 若手選手の育成と1軍の戦力となり得る選手の調整を兼ねる2軍。1つしかポジションのない捕手の場合、その起用はより難しい。ファームにいる選手になるべく出場機会を与え、育成と調整を両立させなければならない。そのため、3連戦となる1カード全てを1人の捕手にマスクを被らせることはなかなか出来ない。多くても2試合出場、残る1試合は別の捕手が出場する、という起用法を取らざるを得なかった。

「3連戦をどうリードするのかっていう経験を積ますためにわざとこういう配置に」