鷹・小久保2軍監督が期待する「いい1番バッター」 高卒2年目・川原田純平の魅力

ソフトバンク・川原田純平【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・川原田純平【写真:藤浦一都】

「出塁するためにはどうしたらいいかっていうことをとことん考えながら出来ている選手」

 ソフトバンクのファームに楽しみな若手がいる。高卒2年目の川原田純平内野手もその1人。2軍で1番打者として起用され、今季から就任した小久保裕紀2軍監督からも「いい1番バッター」と評価され、期待されている。

 そんな川原田の良さが発揮されたのが4月30日にタマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの阪神戦だ。初回の第1打席で四球を選ぶと、デスパイネの適時打で先制のホームを踏んだ。2回の第2打席でも四球を選び、第3打席は死球、そして第4打席も四球と4打席全て四死球で出塁。翌日の同戦でも2打席立って、1つ四球を選んで塁に出ていた。

 今季はここまで17試合に出場して55打数15安打1本塁打5打点で打率.273。9個の四死球があり、出塁率は.375と高い数字を残す。小久保2軍監督は「四球を狙いに行って取るバッターなんで、3ボール1ストライクからとか2ボールから、ほぼ打たないんですよ。最初の頃は打ちに行って欲しくないなと思ってサインを出していましたけど、最近はもう出さなくても待つんで。自分の生きる道っていうか、出塁するためにはどうしたらいいかっていうことをとことん考えながら出来ている選手」と語っている。

 とにかく打ちに行くというよりも、出塁することに重きを置くことができるタイプだという川原田。今春の宮崎キャンプでは主力が集うA組に抜擢され、藤本博史監督も「井端、宮本みたいな打者になりたいと。近づいてきているんじゃないか、まだまだですけど」と高く評価していた。残念ながら右太もも裏の肉離れでキャンプ序盤に離脱となったが、将来が楽しみな選手であることは間違いない。

 川原田は青森山田高から2020年のドラフト4位で入団した19歳。ショートの守備には定評があり「今宮2世」として期待をされている。現在、ファームではスタメンで5試合連続して起用中されており、小久保2軍監督は「彼も実は今初めての経験している。でも全然大丈夫ですね。体力的には」という。プロ野球選手として試合に出続けることのできる体力は1軍で活躍するためには不可欠な要素。それを養うために、いまはとにかく続けて試合に出続けるようにファームの首脳陣も考えている。

「守備が良いと言われながら、まだまだ上にいける。バッティングもまだまだなんですけど、確実にこうなって欲しいなという1番バッター、出塁するバッター目指しています」と小久保2軍監督。球団からの期待を受ける川原田。次代の正遊撃手の座を目指し、日々、汗を流している。

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)