ソフトバンクは26日、監督コーチ会議を行い、2月1日から始まる春季キャンプの組み分けなどを発表した。育成選手からは中村亮太投手、緒方理貢内野手、仲田慶介外野手、川村友斗外野手の4人がA組に抜擢された。
「より支配下に近いポジションだということを意識しながらのキャンプになるでしょう。そこを奪い取れるようなアピールというか、我々にもそうですし、フロントに対しても、そういう姿を期待しています」
メッセージは明確だ。指揮官は昨年まで2軍監督を務め、育成選手の実力を誰よりも熟知している。仲田や緒方、川村、中村亮らは2軍でも主力として起用してきた。今季こそ支配下を掴み取れ――。手塩にかけて育ててきた選手だからこそ、1軍の舞台を掴み取る姿を見たいはず。この春季キャンプはそのためにも大きなチャンスになる。
「彼らのモチベーション的にも誰か(A組に)入ってこないと。育成の数だけ多くて、支配下になれないとなったら、なかなかそれはね。そういう中では、しっかり目立ってくださいね、と。今年のいきなりの戦力として考えられると、すぐに支配下になれるんですけど、そのためには見極める必要があるんで、それをしっかり自分の担当コーチに見てもらって、というところですね」
現在の支配下登録選手数は62人。昨年はキャンプインの時点で67人いた。オフにドラスティックな戦力整理を行い、ファンを震撼させたが、支配下登録の枠に余裕があるということは、育成選手たちにとっては、とてつもないビッグチャンスである。
「支配下62人スタートっていう、去年に比べれば5人(少ない)。去年は67人でスタート。育成選手50数名を3枠で争うか、8枠で争うかでは、モチベーションは全然違うと思うんで」。昨年、残る支配下枠の少なさを嘆くこともあった小久保監督も、育成選手にとって絶好の機会であると認める。
シーズンが始まれば、2軍公式戦における育成選手の出場枠は5人まで、と決められている。7月末の支配下登録期限まで、限られた時間の中でアピールするしかない。春季キャンプからA組にいることは、首脳陣への絶好のアピールチャンス。キャンプ、オープン戦を通じたアピール次第では、シーズン開幕前の支配下登録にも近づく。
昨季、育成から支配下登録を掴み取ったのは木村光投手だけだった。A組に抜擢された4人が結果を求め、ガムシャラな姿を見せてくれるキャンプが楽しみだ。