ソフトバンクの2軍は4日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの阪神戦に4-3でサヨナラ勝ちした。2回にリチャード内野手が左中間へ先制のソロ。2点を追う7回にはコートニー・ホーキンス外野手の犠飛、渡邉陸捕手の適時打で同点に追いつくと、9回1死満塁でドラフト6位ルーキー・吉田賢吾捕手が代打でサヨナラ打を放った。試合後の小久保裕紀2軍監督のコメント全文は以下の通り。
――今日も追い込まれてからのヒット。
「そうですね。昨日の2ストライクアプローチもそうだったんですけど、今日もとにかく手が早い感じで、最後打ったんで、なんか非凡なものを感じますけどね。もともとアイツ、今日休みやったんで。休みなのに自分でわざわざ俺のところ来て『休みだけど、試合に参加させてもらっていいですか』って来たんで。それがあったので、最後使ってやろうと思ったわけですね。本来は休みなんで、今頃、寮で寝とったかもしれないというね」
――それにしっかり応えた。
「そうですね。大したものですよ」
――吉田選手の起用法は考えていた?
「いや、使うつもりなかったんですけど、使えるとしたら9回裏ぐらいしかないんで、今もう野手がいないんで、代打を出せないからですね。9回裏に同点だったら使えるなと思ってて。ちょうど見たら、大将(伊藤)のところぐらいが1番面白いなと思ったので。もう9回裏に入る前に言ってましたけどね。まさかデッドボールに敬遠で満塁になるとは思わなかった。そこでしっかり結果残すところは大したものだと思いますよ」
「今日はやっぱり負けゲームの中で、同点までいけたリチャードの走塁ですよね。あのあとに野村大樹もそのまま続いて、二塁に行って、送りバントがないホーキンスのところでノーアウト二、三塁を作れたっていうのが、今日の中では1番。普段から走塁の意識を井出コーチ、本多コーチがやってくれていますけど、今日のところはもう、ほんとにまさにそこだったなという風に思いますね」
――7回無死二、三塁でホーキンス選手が犠飛。
「そうそう犠牲フライ。あれが、ノーアウト一、二塁止まりだったら、多分同点までいってない可能性が高いと思う。やっぱり(野村の左前打で)二、三塁になった時点で、あの普通の平凡なレフトへのゴロで(先の塁を)いつも狙いなさいという話で、それが実践の場で表現できたっていうのは 足の速い、遅いじゃなくて、狙う姿勢。普段からそれがあるからこそできたプレーだったなと思いますね」
――リチャード選手は2安打。
「バッティングもよかったですよ。今日はたまたま(打撃投手として)投げたけど、もうフリーは打球の速さが怖いもん。投げてて、全然違いますよ。もうびっくりするぐらいの打球が飛んできます。もう投げてたら……」
――やっぱりストレートが課題。
「それはもう永遠の課題ですかね。1打席目もフォークボールをホームランでしたけど、あれ最初の真っ直ぐを打てていないわけですから。あれをやっぱり捌けないと。もうずっと言ってる課題なんで、バッティングの状態というか、真っ直ぐを捌き返すのが永遠のテーマじゃないですか、彼は」
――野村大樹選手も2安打で勝負強さが見えた。
「そうですね。バッティングの状態はヒット出てるからいいんでしょう(笑い)。それだけはわからないです。ヒットが出てるからいいのか悪いのか、わからないですけど」
――椎野投手と甲斐野投手が1軍を想定して回跨ぎ。
「そうですね。甲斐野はもう今日決めていたんで、最初からどんな展開でも7、8回は甲斐野でいく、と。椎野の場合は5回のバックアップに入れていたんですけど、松本(晴)に今日のゲームをくれてやろうかなと思って。本来なら4回投げ終わった時点で、5回の頭から椎野でもよかったんですけど、そこは勝敗抜きにガタ落ちしたら、どういう風にやるのかなと見ていた。さすがに3回り目のあそこの9番で終わりですね。あれでゼロで抑えましたけど、そこまでは引っ張りましたけどね」
――松本晴投手は高めのボール球でも空振りが取れる
「初回は出力が凄い良かったんで。146キロ出て、多分今まで1番速かったと思うんですけど、3回からもう急激に真っ直ぐが落ちたんで。そら捉えられますよね。スタミナっていう点では課題でしょうけど、出力が出たっていうことは、プラスじゃないですか。今までで1番真っすぐで押し込んでいたような印象があるので。どっちかというと、のらりくらり打たせて取るようなイメージ。今日は右バッターのインサイドをバンバンいっていたんで。だから、あとはスタミナを。大学時代はほとんど投げてないらしいんで、スタミナをつけて、最低100球ぐらいは同じぐらいの球がいかないと、なかなかローテでは回れないですよね」