谷川原の捕逸…オスナと“食い違い” 片隅におくべき「もしかしたら」、コーチの見解

谷川原健太【写真:冨田成美】
谷川原健太【写真:冨田成美】

18日の中日戦で捕逸…小久保監督からは「あれがなければ」と指摘

 捕逸を防ぐことも、助っ人とのコミュニケーションも“大切なこと”は共通している。18日にみずほPayPayドームで行われた中日とのオープン戦。7回にロベルト・オスナ投手のチェンジアップを捕逸した谷川原健太捕手は直後にマウンドでオスナと少し会話をし、腰を叩いた。

 小久保裕紀監督はこの日の試合後、「あれがなければ、今日はいい日だったでしょうけどね」と捕逸の反省を促していた。なぜミスが生まれたのか。直後の会話に、コーチの評価は――。谷川原と高谷裕亮バッテリーコーチがその裏側を明かした。

「真っ直ぐのサインを出したけど、チェンジアップが来てって感じでした。改めてサインの確認をした感じでした」。7回2死一、二塁の場面でカリステに投じたチェンジアップを弾いた。記録は捕逸。失点にはつながらなかったが、二、三塁のピンチを招いた。

 高谷コーチは一連のプレーをどうみたのか。「サイン違いのミスに対しては一概に僕は責められない」としつつ、谷川原へ正捕手を目指す上でのアドバイスを送った。

「なかなか難しいところではあると思うんですけど、できるか、できないかではなく『もしかしたら』っていうのを頭の片隅に置いておくのが大事だと思います。もしかしたらサインが合っていても、普段コントロールの良いピッチャーが引っ掛けるかもしれない。そういったことも含めて全部想定しておく。来てからでは遅いので。準備しておくことが大事かと思います」

 これは外国人投手との会話も同じことだ。谷川原は捕逸直後、オスナと英語でサイン確認をした。本人は「英語が話せないことを理解してくれようとする優しさとかはあるので。コミュニケーションはとりやすい」と話す。高谷コーチは、コミュニケーションでも準備の大切さを説いた。

「僕が現役のころは(マウンドに)行く前に通訳の人を交えて試合に出る前にある程度しっかり話をしていました。ミーティング中であったりとか、普段の練習中であったりとか、そういう時に話して。だいたいブルペンで話しているから、違った時には簡単な英語とかでもやり取りできるので」

 オスナ以外にもダーウィンゾン・ヘルナンデス投手やリバン・モイネロ投手、カーター・スチュワート・ジュニア投手ら、外国人投手が多いホークス。小久保監督は投手との相性も鑑みながら捕手を起用する方針を明かしている。もっとも、モイネロやスチュワートは日本語が堪能だが……。

 彼らの“相棒”の座を手に入れれば、正捕手の座が近づくのは間違いない。難しい要求なのは高谷コーチも理解しているが、できると期待しているからこそのあえての助言だった。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)