左膝強打し病院に向かった栗原陵矢 「試合中は防ぎようがない」…小久保監督は平静装う
- 小久保裕紀
- 2025.03.11

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」
栗原に代わって出場の井上が3安打の猛アピール
ソフトバンクは11日、長崎での巨人とのオープン戦に4-4で引き分けた。先発の前田純投手が6回3安打無失点の好投で、開幕ローテ入りへ大きく前進。打っては井上朋也内野手は3安打、ジーター・ダウンズ内野手と廣瀬隆太内野手がそれぞれマルチ安打をマークした。気がかりなのは2回の守備で三塁ファウルグラウンドのフェンスに激突し、途中交代した栗原陵矢内野手の状態。古傷の左膝にアイシングを施しながらタクシーで球場を後にし、病院へ向かった。この日、取材対応した小久保裕紀監督の主なコメントは次の通り。
アクシデント直後に「息がしにくい」 苦悶の栗原陵矢…奈良原ヘッド&正木に伝えた“言葉”
11日の巨人とのオープン戦、2回の守備でフェンスに激突した栗原陵矢内野手。一目散にベンチを飛び出した奈良原浩ヘッドコーチ、そして、左翼から駆け付けた正木智也外野手。グラウンドに倒れ込んだ栗原の姿を間近で見た2人の言葉から、当時の状況を振り返る。続きを読む
●試合前囲み
——周東佑京内野手はアクシデントがなければこっちに来る予定だった?
「元々(長崎には)来る予定やったよ」
——病院に行った。
「うん、大丈夫。今週あと5試合で予定通りに行きます」
——左脇腹の張りを訴えている牧原大成内野手も状態が心配。
「がっつり(ひどい怪我)ではないからね」
——廣瀬選手の現状の立ち位置は?
「基本的には争いの3番目だったのが、(牧原大が一時離脱したことで)2番目になったっていうことです」
——右膝を負傷した川瀬晃内野手は13日の巨人戦で復帰予定。
「最終的には明日(12日)決めるけどね。きょう(2軍戦で)出て、明日も出て、何もなければ。フルで出られる状態であればですね」
今宮健太を「超えたいから」 川瀬晃のリハビリ期間…“頑張る理由”となった周囲の期待
今月4日から、川瀬晃内野手が2軍本隊に合流。右膝の状態について「もう大丈夫です」と頷きながら、ネクタイを締めた。「あの人を超えたい」。地道な日々でもモチベーションを失わなかったのは、今宮健太内野手が近くにいたからだ。続きを読む
——長崎でのゲームは主力が不在。若手にとってチャンスになる。
「そうね。きょうは(中村)晃(外野手)がスタメンで行くので。週末に(試合に)出そうと思ったけど、天気もあまりよくなかったので。きょうはDHでスタメンでいきます」
——リチャード内野手は結果を残している。
「オープン戦だけ(打率.333)でしょ? こっちの評価は練習試合も入っています」
——野手のサバイバルは19日までになる?
「最後は(オープン戦ラストとなる23日の)広島で野手16人を決めますよ」
——15日の日本ハム戦は和田毅さんの引退試合。
「打者1人って言っていたかな? その後に大関(友久投手)。1人で交代って言っていたと思うよ」
——左ふくらはぎ痛の今宮健太内野手の復帰戦は?
「(ウエスタン・リーグ開幕戦の)14日に出るんじゃない? ネットでそう見たよ。確認はしてないけど」
——ルーキーの庄子雄大内野手のここまでは?
「最初よりはよくなっているけど、まだまだ。足が速く見えないよね。守備を見ても速くないでしょ? ボールまで早く行って、細かく打球に合わせるっていうところがまだまだ。(野村)勇(内野手)との違いがだいぶわかりますね。周東2世は言い過ぎかな。あまり軽はずみに言うと周東さんに失礼やな」
——前田悠伍投手が2軍開幕投手に。
「ファームで抑えることが目的じゃないので。スケールアップというか、あと少し何か秀でたものが欲しいということで(2軍に)送っているので。(開幕ローテも)2枠で5人が争っていて、5人とも結果を残しているからね」
●試合後囲み
——栗原選手の状態が気になる。
「試合中の怪我は防ぎようがないので。今のところは何も聞いていないし、病院に行っただけです。(栗原が)おらんかったらおらんかったで次の選手がやるしかないので」
——栗原選手に代わって出場した井上朋也内野手が3安打。
「朋が急遽出て3本打ってね。まあ、あいつの守備で3点取られたけどね」
——前田純投手が好投。
「相手も主力が出ていない打線でしたけど。それを差し引いてもしっかりと評価ができるピッチングだったと思います」
育成時代は「ほぼなかった」 前田純が支配下キャンプで感じた変化…明確な立場の違い
周りからの視線が明らかに変わった。2桁の背番号を着用して迎える初めての春季キャンプ。熾烈な先発ローテーション争いの真っ只中だが「楽しみしかないですね」。24歳の前田純投手は充実感を滲ませる。続きを読む
——開幕ローテ入りに前進した。
「そうですね。まあ、今週がヤマ場なので」
——中継ぎ陣が苦しんだ。
「もう6人(ロベルト・オスナ投手、ダーウィンゾン・ヘルナンデス投手、松本裕樹投手、藤井皓哉投手、杉山一樹投手、尾形崇斗投手)は決まっているので。あとの枠の争いは激しいですよね」
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)