副会長を務めているのは板東湧梧投手、栗原陵矢内野手、柳町達外野手の3人。周東が就任した時も、前任の今宮が先導して決めただけに、決定権は“現職”にある。後任は栗原が筆頭候補かと思いきや、周東は「どうなんでしょうね」と言及した。もちろん「クリがやらないと、一気に若くなっちゃいますもんね。やるってなったら、やるんだと思いますけどね」とも話したが、人選については自分の中でもしっかりと考えていくつもりだ。
「5月にギーさん(柳田悠岐外野手)が抜けた時とかも(栗原とは)『頑張らないと』っていう話はしていたので。長い目でというか、先を見たときに僕とか栗原が引っ張っていかないといけないというのはシーズン中から考えていたこと。そこに関してはシーズン中から頑張ってくれたと、(球団からも)言ってもらいました」
キャプテンとは違って、球団との事務的なやり取りを行うのが選手会長。1年目を終えて「やりがいは感じました。僕としても、もっとこうした方がいいと思っていたこともある。多くの人と話をできる立場になったので、考えていることを伝えられるのはいいことでした」と振り返った。選手がプレーする環境と、人生そのものがいい方向に向くように。直接、やり取りできる唯一のポジションを「やりがい」と表現したのは、1年間を経た成長に違いない。
交渉に同席した三笠杉彦GMは、シーズン中にも「周東くん、栗原くんのチームを作ってくれたら」と、次代を背負う2人に期待を寄せていた。過去に中村晃外野手や今宮、多くの選手会長と接してきた中で、“周東らしさ”については「年齢としては比較的、若いと思うんですけど。彼の場合は年上の選手の意見を聞きながら、世代関係なく話を聞いて、それを自分の意見として持ち上げるみたいなところが特徴だと思います」と表現した。
基本的に球団とやり取りをするのは選手会の4人であり、その先頭に立つのが会長の周東だ。1年間を通して会話してきた中で、後輩だけではなく、先輩たちの言葉に耳を傾けていたことは三笠GMにも伝わっていた。「選手間の関係だとは思うんですけど、(集めた意見を)そのまま言うのではなく、自分の中でしっかりと解釈していた。選手の代表として自覚を持ってやってくれました」と、球団目線でも頼もしいリーダーだった。
2025年も、選手会長を務める。来年のオフは1つの節目になることは間違いない。「2年で終わるのかどうかも、考えないといけないですね。3年目にいくなら4年目にいくかもしれないですし」。後輩に託すだけではなく、3年目以降も続投する選択肢を抱いていた。自分はもちろん、チーム全体が良くなっていくために。周東佑京の成長が、明らかに目に見えたシーズンだった。