「どう打つか」という右投手から豪快弾 正木智也が目指す課題克服と“実りの秋”

ソフトバンク・正木智也【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・正木智也【写真:藤浦一都】

CSで感じた強打者の恐怖「守っているだけで怖かった」

 ソフトバンクの正木智也外野手が18日、宮崎県内で行われている秋季教育リーグ「第19回みやざきフェニックスリーグ」の巨人戦で決勝の2ランを放った。同点で迎えた8回1死二塁で山崎友から左中間へ豪快な一発。「しっかり課題を明確にしてやっていきます」とフェニックス・リーグ参戦初日でいきなり結果を残した。

 1軍のメンバーとして、クライマックス・シリーズを戦ってきた正木。束の間のオフを挟んで、この日からフェニックス・リーグを戦うファームに合流した。1打席目は一邪飛、2打席目は三ゴロに凡退。「1、2打席目はちょっと感触が悪くて、どう修正していこうかなって考えていた中での打席。いい修正ができたかなと思います」と手応えを口にした。

 プロ入り1年目の今季は1軍で35試合に出場し、打率.254。プロ初本塁打を含む3本のアーチも放ち、パンチ力も発揮した。その一方で、スタメンで起用されるのは、ほとんどが左投手の時。今季、先発は21試合でそのうち、右投手の時の先発はわずか3試合しかなかった。

 右投手への対応、特に右投手の外へ逃げていくスライダーへの対応を課題とされていた。右投手との対戦機会は少なかったが、対左投手の打率.293に対し、右投手は.192と1割近い差があったのも事実。「今年は最後の方に限っては左ピッチャーでしか出させてもらえなくて、やっぱり右ピッチャーをどう打つかだと思うので」と“対右投手”を課題に設定し、フェニックス・リーグに乗り込んできた。

 打った山﨑友はその右投手。打ったのは逃げていくスライダーではなく、真っ直ぐだったものの、来季に向けてまずは上々のリスタートに。正木自身も「右投手はこれからもいっぱい来ると思うんで、何か自分で一つ見つけて、それをモノにできるようになっていきたい」と語っていた。

 このオフは更なるパワーアップも目指す。フェニックス・リーグが終われば、秋季キャンプが待ち受ける。「来年はもっとホームランを打てるように、長打力を上げるように目指していきたい。週に3、4回は絶対にウエートは入れたいなと思います」とウエートトレーニングに重点的に力を注ぐ考えでもいる。

 オリックスに敗れたCSのファイナルステージで、相手の主砲の凄みを感じた。吉田正尚外野手だ。「打席に立つだけで怖かったですし、守っているだけで怖かった。頼りにされているというのも目に見えて分かったのでで、そういうバッターになりたいなとは思います」。吉田のように頼りにされる打者へ。正木はこの秋を“実りの秋”にする。

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)