柳町達に「とことん苦しめ」、打順変更の理由は「それだけじゃない」 小久保監督の一問一答

小久保監督と近藤【写真:古川剛伊】
小久保監督と近藤【写真:古川剛伊】

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

モイネロは今季初黒星「申し訳ない」

 ソフトバンクは4日の西武戦(みずほPayPayドーム)に0-1で敗戦した。先発したリバン・モイネロ投手は8回1失点と好投したが、今季初黒星を喫した。打線は西武投手陣の前に5安打無得点に終わった。この日、取材に応じた小久保裕紀監督の一問一答は以下の通り。

●試合前

――柳町達選手、中村晃選手、近藤健介選手らと次々と会話をしていた。ポジション、打順などに変更がある?
「両方やね」

――柳町選手は踏ん張りどころ。
「一皮むけるチャンスなんじゃない? 極端な方がいいんですよ、成長するには。どうにかもがいて、野球人生を振り返った時にあの時間は苦しかったけど有意義やったって。そういう時間にしなさいという話はしました。とことん苦しめと」

――監督も現役時代に経験したこと。
「俺はもっと長い。7月まで打率.180とかで4番やったからね」

――今振り返れば財産のような経験。
「財産ですね。あれと比べたら(他の不調は)スランプとも思わない。闇はデカいほど、深いほどいいんです」

――「打てないことが注目される」という選手になってきた証。
「6試合ですよね? 使っているということだし、外せない選手になったということでしょう」

――近藤選手についての進捗は。
「毎日状態を確認して、いけるならいこうっていう話はしています。ただ、ここまで我慢したっていうのもあるし……。どこかで踏ん切りはつけないといけないんですけどね。いけるとなったらいきます。代打でも貢献できるシチュエーションはいっぱいあるので」

――2軍で前田悠伍投手が好投を続けている。
「いろいろと考えています。言えませんが」

――山川穂高選手は「無双」状態になってきたのでは。
「相手あってのことやからね。ただ凡退の内容もよくなってきている」

――秋広優人選手が2軍で再調整になった。バッティングを磨いてきてほしい?
「全部やね。まだ若いし、レギュラーを取るために何が必要なのか。ホークスの強みとして動作解析があるじゃないですか。それをまだやっていないので、客観的な数字も知って、見比べて修正できるようになってくれたら」

――3チームがゲーム差なしにひしめく状況。監督としてはどう見ている。
「まだ7月だから。9月になったらファンも楽しいと思いますけど。本当の勝負はまだ先です」

――ファームでは、3日の阪神戦(タマスタ筑後)で笹川吉康選手が2打点と結果を出していた。
「そりゃあね。山本(恵大外野手)が急に打ったら。山本も、下では打率.380くらい打っていたでしょう? 石塚(綜一郎捕手)も打率.350くらい。そのくらい打たないと、2割5分前後じゃ厳しい。希望枠、実力じゃない枠になってしまう。実力で取るには、そのくらい打たないと」

――山本選手は4月に1軍出場した時との変化を感じるか?
「落ちた後の方がいい。前は知らないピッチャーというのもあったから、基本は真っすぐを狙っていたと思うけど。なんでも振っていたよね。2軍では1軍を想定して、甘い球を1球で仕留めるというのをやってきたみたい。ヒットが出て余裕があったね。広角に打てるのも彼の良さですから」

(監督が自ら)

「小学校の時から知っているからね。ジャイアンツの時に『ファンの集い』で。当時の自分に、将来小久保監督のもとでプレーすると言っても信じないとコメントしていたけど、そりゃあ信じないでしょう」

――監督としても、感慨深い?
「写真を見て思い出した。現役選手はね、それが仕事。人に希望や夢を与えられるようにより高みを目指してほしいですね」

●試合後

――武内投手が好投。
「前回よりも全然良かったですね。去年みたいな感じでした」

――隙のないような投球だった。
「最初の復帰戦(今季の5月15日)がホークス戦だったのかな。あの時よりも全然よくなっていた」

――打順を入れ替えて山川選手を4番に据えた。それほどの状態に戻ってきたという判断。
「それもあるけど、あとは言えません。色々あるんです、それだけじゃない理由が」

――今後も4番を任せる?
「基本的にはあんまり動かしたくないけど。近藤の絡みもあるので」

柳町が30打席ぶりの快音「記憶に残る」

――柳町選手が30打席ぶりのヒット。
「そりゃ7試合ノーヒットよりはね。ある意味、苦しんで記憶に残るヒットになったんじゃないですか」

――モイネロ投手の内容は。
「絶好調というわけではなかったけど、あそこまで抑えてくれていた。チャンスらしいチャンスも作れなかったので、モイネロには申し訳ないです」

――あしたの相手先発は今井達也投手。また切り替えて臨む。
「もちろんです」

(竹村岳 / Gaku Takemura)