延長12回でドロー…粘りの中で「ものすごく反省」 仕掛けた勝負、小久保監督の一問一答

小久保裕紀監督【写真:古川剛伊】
小久保裕紀監督【写真:古川剛伊】

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

周東佑京に設ける「プラン」とは?

 ソフトバンクは22日、オリックス戦(みずほPayPayドーム)に5-5で引き分けた。先発したリバン・モイネロ投手は6回1/3を投げて4失点。延長10回からはロベルト・オスナ投手、松本裕樹投手、松本晴投手がそれぞれ無失点の力投を見せた。打線は14安打を放ち、5得点。栗原陵矢内野手に1号ソロが生まれ、7回には周東佑京内野手が2点二塁打を放った。2点を追う9回、試合を振り出しに戻したのは川瀬晃内野手の2点適時打だった。この日、取材に応じた小久保裕紀監督の一問一答は以下の通り。

●試合前

――生海外野手が5月3日に実戦復帰する。
「報告が上がってきています。新たな一歩だと思うので、また野球ができる喜びを感じてほしいです」

――今週は5試合、選手のコンディションにも気を遣う。
「佑京だけじゃないですか? 9連戦をどう使おうか、本人とも話をしないといけないし、全部フルでは難しい。トレーナー陣もいろいろプランを出してくれているので、そこを参考にしながら」

(続けて)
「プランを組んだ方がいい。今週はいい。休みも入るんやけど、気にしないといけないよね」

――昨シーズンもスタメンを外しながら、休みを与えながら戦っていたが、同じような状況?
「ほぼ一緒じゃないですかね。頭抜けた能力があるだけに、負担も大きいんでしょう」

――中堅守備を考えると、スタメン起用すれば途中で代えることもできない。
「そのためにね、僕が監督になった時もセンターにしたので。今のチームやと、佐藤直樹、緒方理貢、あとは笹川吉康じゃないですかね。吉康は何してんねんという話ですけどね。これだけ外野がいない状況で。どこからも推薦が上がってこないので」

――センターができる選手も限られる。
「キャンプの時から、頭から考えられるのは佑京、佐藤直樹、吉康だけやと思っていました。でもね、結果が伴わないと難しいですね」

――周東選手の開幕連続安打は続いている。
「みたいですね。そういう計算みたい。でも記録のためにやるんじゃないんでね。勝つためなので」

――昨シーズンは9番で起用するなど打順に変更もあったが、周東選手のプランとは?
「ある程度は組んで、あとは本人に聞いてどうかというところ。センターだからね、指名打者とかじゃない。守備の負担も考えないといけない。まだ9連戦の運用は考えていないですけど。基本的には(プランを)組みながら、相手ピッチャーによっても変わると思います。画像で見た時と、本人の感覚が違う日もあるから」

――残している記録とは、練習中の移動距離なども出る?
「全部出ます。スピードまで全部」

――練習させないわけにもいかないだけに、難しいところ
「練習は極力減らすようには言っていますよ」

――佐藤直選手は左投手を打っている印象があった。
「去年は打っていない。今年はファームで左を打っていたんですよ。打数は少なかったですけどね。もともと左を打てたらチャンスがあるとは思っていた。右の方が得意なんじゃない? 俺も左ピッチャー大嫌いだったから。インローのスライダーでよく三振していたので、人のことは言えません」

(監督自ら)

「ホームで勝たないとね。ホームですからね」

■栗原&山川を8回に交代…「チャンスがあると」

●試合後

――引き分けに終わった。
「あの展開で、負けずによく追いつきましたね。欲が出てサヨナラにまでしたかったけど、そうは甘くないですね」

――川瀬選手が9回に同点打。
「ナイスバッティングでしたね」

――監督も常々、信頼を置く存在。
「最後ね、全球勝負の中でファウルで粘りながら。打線はよく粘りました」

――8回、栗原選手も山川選手も代えて勝負にいった。
「マチャドよりはペルドモにチャンスがあると思ったから廣瀬(隆太内野手)、佐藤直樹。まあこれも経験を積みながら」

――延長12回、満塁になっていれば山本恵大選手が代打だった。
「はい。歩かせてくると思ったら、勝負やったね。絶対に敬遠と思ったけど」

――引き分けに終わったが、チーム一丸という空気を感じた。
「実際、今年に入ってから借金ばかりですけど、チーム、ベンチの雰囲気は悪くないです。声も出ていますし、きょうみたいなところからね、欲をいえばサヨナラにしたかったけど、負けゲームから同点にしているので」

――中継ぎ陣については。
「(太田選手に打たれた)尾形(崇斗投手)のホームランは反省。配球とかではなくて、4回首を振った後の球(を打たれた)。次は主力が下がっている中での4番だったから。(延長11回)松本裕樹でも(太田を)歩かせて、長打のない打者との攻めを(選択)しているんだから。そういうところの反省はものすごく必要です」

(竹村岳 / Gaku Takemura)