深夜12時半に突然の電話、柳田が負傷離脱「急ぎで…」 GMが明かす山本恵大が支配下の理由

会見を行った山本恵大(右)と三笠杉彦GM【写真:川村虎大】
会見を行った山本恵大(右)と三笠杉彦GM【写真:川村虎大】

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 ソフトバンクは12日、山本恵大外野手と支配下契約を結んだことを発表した。背番号は「77」に決定。同日にロッテとの1軍戦が行われるZOZOマリンスタジアムに合流し、到着後即、記者会見が行われた。

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 チームは近藤健介外野手が腰の手術を受け戦線離脱。11日に自打球を当てた柳田悠岐外野手も右脛骨骨挫傷と診断され、競技復帰まで約1か月かかる見通しだ。会見に出席した三笠杉彦GMと山本のコメントは以下の通り。

〇三笠杉彦GM

「もとより、昨年の後半くらいから育成選手の中では打撃力を売りにして、支配下の候補としてフロントは考えていました。ホークスの外野陣は層が厚い。みなさんご存知の通り、キャンプの時からしっかりやってもらって、2軍でも絶好調なところと、近藤選手の怪我での離脱に加えて、柳田選手も離脱になりそうだということもありまして。小久保監督とも話をしまして、きょう支配下登録になりました。

期待していることは今申し上げました通り、大学を卒業して4年目で勝負の年と本人も思っていると思いますが、ファームで結果を出して、しっかり準備してくれていたと思いますので。持ち前の打力を1軍でも発揮して活躍してもらいたいなと思います」

――支配下契約を決めたのは?
「昨日の夜です」

――2軍首脳陣から評価は?
「2軍から昨日の夜、推薦があったから決めたというわけではなくて。1軍で柳田選手が途中交代したという状況もあって。評価としては2軍の監督・コーチからというよりは、フロントは1軍から3軍まで試合を見ていますが、元から打力を見れば支配下の第1候補と期待、評価をしていました。実際にウエスタンでのパフォーマンスも素晴らしいものがある。支配下昇格の候補と元から位置付けていた。開幕直後の近藤選手の離脱、そして昨日の柳田選手の途中交代もあったので。今回このタイミングで急ぎで上がってもらおうというのがありました」

山本恵大外野手

――率直な思い。
「ずっと目標にして4年間やってきたので嬉しいという気持ちと、支配下になったのでこれから1軍で活躍するために、今までよりさらに気を引き締めていこうという気持ちです」

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――いつ連絡が来た?
「(12日の午前)0時半くらいにご連絡をいただいて。寝ていたんですけど、目が覚めました。お電話をいただいた」

――連絡を受けた時は?
「自分の中でもまだかな、まだかなというのがあった。やっと来たなという気持ちです」

――家族などへの連絡は?
「ご両親にもしましたし、奥さんにも連絡して。小学校、中学、高校、大学とお世話になった方にもして。皆喜んでくれたので嬉しかったです」

――小久保監督とは挨拶は。
「まだできていないです」

――セールスポイント。
「セールスポイントは打撃面だと思うので、今までやってきたことを発揮できればと思います」

――昇格の声がかかってもいいかなという思いはあったか。
「そうですね。やっぱり目標にしていたことなんで、もうずっとソワソワしながら。開幕してからは待っていました」

――近藤選手や柳田選手ら、主力が怪我。守備でもアピールしていきたいか。
「そうですね。1軍で試合に出る以上は守備でも走塁でも、チームの力になれるように頑張っていきたいと思っています」

――プロ野球選手として、目標の選手像は。
「1年でも長く野球をやっていけるような選手になりたいと思っています」

――今季のチームのスローガンはピース。チームのどういったピースになりたいか。
「バッティングで呼んでいただいたと思うので、自分の一打で勝てるようなピースになりたいと思います」

(川村虎大 / Kodai Kawamura)