近藤、甲斐、牧原大、周東…WBC組の今後のスケジュールは? 藤本監督のコメント全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:竹村岳】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:竹村岳】

ピックアップ練習の予定から全体練習へ…札幌から福岡に移動

 ソフトバンクは23日、PayPayドームで全体練習を行った。当初は指名選手によるピックアップ練習の予定だったが、打線が低調なこともあって野手陣は全体練習に変更となった。取材に応じた藤本博史監督のコメント全文は以下の通り。

――ピックアップ練習の予定が全体練習に。
「本当は休みだったけどね。もう1週間前やし、何かのキッカケでも作ってもらわんと。この状態じゃ開幕しても心配なので。WBCのメンバーが帰ってきたら変わるとか、そんなん関係ない。WBCはWBCのメンバー。しっかり練習してくれると思うし。ちゃんと休養を与えて。近藤とかは試合でプレッシャーの中で疲れていると思うし、みんな疲れはあると思うけどね」

「特に近藤なんかは、1日余分に休ませて、練習に合流。他の3人は明日休んで、明後日また体を動かして、試合中にね。次の日は広島に行くけど、こっちでまた動いてもらって、その時は近藤も入ってもらう。27日また休んで、28日から近藤はこっち。(甲斐、牧原大、周東の)3人はウエスタンです。それである程度、メンバーは絞られる」

「4人は間違いなく開幕を外れることはないと思うけどね。スタメンで出るかどうかだね。状態は当然、体がしんどいとかあるやろうけど、当然4人とも出たいっていうのはずっとあると思う。そこはしっかり調整してもらうということですね」

――アメリカンノックはコーチからの提案。
「キレが悪いからね。バッティングもちょっと、今野球が変わってきているからね。ボールを中に入れて、中に入れてという感じで。それはもう全員が全員じゃないと思うんですよね。合わなかったら変えるっていうのも必要だし、柳田なんかでもそうです」

「いい映像と比べたら、やっぱりだいぶ中に入っています(ポイントが近く)よね。だいぶ受けに入っているというか。打ちにいって、(体を)そらしているんじゃなくて、最初から。だからもう完全に距離が取れない状態。打撃コーチも、主力だから、看板選手だからそのうち上がってきますじゃなくて、どんどん言え、と」

「いいものはいい、悪いものは悪いと言えばいいわけで。遠慮することはない。そういうところはしっかりアドバイスしてくださいって」

――アメリカンノックは全員がやる。
「知らない。やるんじゃないですか? キレを出すために、今日は3時間の移動で体も重いだろうからね。汗を流して。明日から気持ちよく入れたら。明日からの3連戦はいい投手がくる。大瀬良、床田、玉村か。開幕ローテの投手ですよ。その辺をしっかり打って開幕に入れたらベストだと思うし、この3連戦が一番大事じゃないですか」

「オープン戦の結果は上におった方がいいに越したことないけど、結果は結果、練習試合なので。1週間ぐらい前に本番モードだけど、なかなかね。本番モードでサインも出せない状況の打線だったからですね。つながりが全くなかったので。そこはこの3連戦とかなんとか期待したいなと思います」

――開幕前に予定を変更してこういう練習すること自体が一つのメッセージだと思うが、直接声をかけたり。
「(直接の)メッセージは送っていないよ。開幕までまだメンバーも全員入れるわけじゃないんやからさ。4人帰ってきて、今17名の中に4名来て21名、約5名は2軍の方にいってもらわなくちゃいけないんだから。個人個人が状態を上げてこないと」

「増田なんかもここで、いい内容を見せてくれていたけど、使っていったらまた尻すぼみになるとかね。ずっと打つのは難しいかもわからんけど、やっぱり内容的なところも見せてくれないとね。増田なんか開幕1軍の可能性もあるわけやから、そういうところもアピールしてくれないと困るし。去年頑張ってる人たちは、ちょっと状態を上げてもらわないと安泰ではないよね。5人は落ちるので」

――期待してきた右打者が苦しんでいる。
「増田も正木も…リチャードも2軍にいってしまったからね。ここにいて期待するのは増田と正木やね、右の候補は。そこにアストゥディーヨ、ホーキンス、ガルちゃんはスイッチやからあれやけど、その4人かな。その4人でなんとかスターティングメンバーが出てくれば」

――アストゥディーヨ選手も状態を上げてきた。
「このまま乗っていってくれたらいいんやけどね。アストゥディーヨとガルビス、ホーキンスも、3人おるわけじゃないと思うし。広島3連戦は見極めるっていう意味じゃないけど、いいものが残るという形で考えてもらった方がいいかなと」

――今日のウエスタン・リーグの阪神戦(鳴尾浜)が中止。登板予定だった有原投手とガンケル投手を含めて開幕ローテの6番手争いはどうなる。
「6枚目っていうのは武田を含めて5人いるけど、ほぼ2人に絞られたかなっていうところ。板東か高橋礼じゃないですか、今のところだったら」

――板東投手は22日のウエスタン・リーグの阪神戦で7回無失点だった。
「内容は良かったよね。先頭打者に打たれただけで、あとは完璧に抑えた。その前の高橋礼も2点は取られたけど、以前の悪い高橋礼じゃないからね。完全なボール球ってのは少なくなっているから。ゾーンの中で勝負できている。どちらかというと三振をバタバタ取るピッチャーじゃないからね、アンダースローって打たせて取るピッチャーが多いからね」

「そういう意味では、有原とガンケルもどこか2軍戦であと1回投げると思いますけど。そこで4人の誰かが残る形で、1人は中継ぎに入る形になってくると思いますね。広島3連戦で最後に決めたいと思います」

――柳田の映像を見たというのは、コーチと一緒に見たのか。
「俺が見てコーチに言っただけ。いい時にどう打っているか。柳田に関しては、去年より今年と思って、自分で去年できなかったことを今年やろうとしている。去年はどちらかというと、打ちにいって(体が反るように)帰ってきていたのが、今年はその分、距離が縮まるじゃないですか。打ちにいって引いたらその分距離が広がるから」

「その分が今、試合の中でファウルが多い。あるいは落とされたら空振りが多い。柳田自身は恐らく、フォークの空振りをなくそうと思って。それはバッティングフォームが変わっているわけじゃなくて、自分の中で良くしようと思ってやっていることが、よくなっていない。それなら元に戻したらどう? って。難しいことじゃないじゃないですか。1週間あれば十分できると思うんです」

「王会長がいつも言うように、ポイントを前で打て、前で打て、と。今の選手は全部中に入れているんですよ。中で打てるやつは中で打ったらいいんです。中で打てない奴はやっぱり変えていかないと。だから今やっている。リチャードもそうやけど、コンタクトしようと思って中に入れている。これは間違いじゃないと思うんですけど、それが僕の中では2ストライクからのバッティングじゃないかっていう。打者有利のカウントだったらもっと打球が軽く飛んでいく」

「例えばWBCで岡本が(イタリア戦で)ホームランを打った。スライダー片手1本だけでレフトにホームランを打ちましたよね。ああいうホームランが、今のうちの選手であるかといったら栗原くらい。片手1本で打とうにも打てない。右手を使わないと打てない。今うちのチームだったら栗原。みんなWBCで見ているだろうからさ。その片手1本のホームランがどうなのか。片手1本であれだけ飛ぶんですよ。岡本の力があって飛ぶんじゃない」

「プロ野球選手なら、ある程度、手を伸ばした時の方が飛んでいくっていうね。そういうものがわかってくれたらバッティングがまた変わってくるんじゃないかなと。今、全体的に、うちのチームだけじゃなくて、どこのチームもみんなポイントが中に入っている。それは合うと、合わないというのをね、しっかりバッティングコーチが見て」

「リチャードなら『三振でもええ。前で振れ。当たったら飛ぶんだから』でいいんじゃないの。2ストライクからの打撃と2種類ある。わかってもらえたら、内容的なところも良くなっていくんじゃないかなと。個人的にはアドバイスはしていません。僕は思ったことをコーチに言うだけ」

――明日からの広島3連戦は開幕前だけに勝利にこだわる。
「勝ちにこだわった采配がしたいけど。この1週間そういう気持ちでやってきたけど、なかなかこけてしまっているから。先に点をやらない。本番の本番」

(竹村岳 / Gaku Takemura)