小久保2軍監督が絶賛 7回21人斬りの板東湧梧…「一番大事」と気付いた自分の武器

ソフトバンク・板東湧梧【写真:米多祐樹】
ソフトバンク・板東湧梧【写真:米多祐樹】

ウエスタン・阪神戦で板東湧梧が先発して7回1安打無失点

 ソフトバンクの板東湧梧投手が22日、ウエスタン・リーグの阪神戦(鳴尾浜)で先発して7回1安打無失点と好投した。初回先頭打者に安打を許しただけで「すごい自信になりますし、感覚も自分の中で良くなったので次もしっかり頑張りたい」と胸を張った。

 まずは1回先頭、高卒ルーキーの井坪に右前へ運ばれる。しかし高寺を三振ゲッツーとすると、3番の山本も右飛で立ち上がりをしのいだ。4回には無死から失策で出塁を許したが、1死後山本を遊ゴロ併殺に仕留めた。結果的に、7回を打者21人で終えるという完璧な内容で「2、3回ぐらいからつかめて。自分で制球に自信が出てきて、しっかり腕を振ることができたなって感じです」と手応えを言葉にする。

 球数は69球で、テンポの良さも見せた。登板前から緩急を使っての投球をイメージしていた。「緩い球をどんどん使っていこうという話をしていた。どうしても球速が近いボールばかりで、そこが課題なんですがうまくいきました」とニヤリ。持ち前の制球力を生かすための取り組みが、アピールにつながったと言えるだろう。

 開幕ローテーション争いも終盤を迎えている。藤本監督からはボールの「高さ」を指摘されてきた。板東の耳にもしっかりと届いており「(今日の)初回も高さを意識しているのに全部高かったですし、思うようにコントロールできていなかった。もっと意識するって話はしていたんですけど……。そこが自分の全てですね。制球の面が一番大事だなと改めて感じた」。自分の持ち味に気付かされるような投球だった。

 小久保2軍監督も「今日の内容なら、いいアピールができた」と評価する。最終コーナーにまで来た競争に板東は「投げるたびに、自分の課題をつぶしていけている感じが今日はやっと出てきた。こういう投球を続けていけば、おのずとそういうポジションは取れると思う。とにかく自分のやるべきことを続けていきたい」とうなずいた。自分との戦いに勝てれば結果はついてくると、板東は信じている。

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)