首脳陣の言葉から読み解く投手起用の構想 “激戦区”は先発よりもリリーフ?

ソフトバンク・又吉克樹、松本裕樹、津森宥紀(左から)【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・又吉克樹、松本裕樹、津森宥紀(左から)【写真:藤浦一都】

開幕ローテーションは5番手まで決定…リリーフ陣の競争は「7回の男」

 ソフトバンクの開幕ローテーションが5番手まで決まった。ロッテとの開幕カードは大関友久投手、藤井皓哉投手、東浜巨投手の順番で先発する。京セラでのオリックス戦は石川柊太投手、和田毅投手となり、残る枠はあと1つだ。投手陣の編成について、首脳陣の言葉から開幕以降の戦い方を紐解いてみる。

 今季のホークスは、4月に変則的な日程が組まれている。3週連続で5試合が続き、試合がない曜日も金曜日、木曜日、木曜日となっている。藤本監督は4月以降についても「10人で1年間を回るわけですからね。ローテーションの6人というよりも、ある程度のメンバーで回る」と、7人以上の投手でローテーションを回す可能性を示唆。齋藤学投手コーチは「5戦のところを抜けたところで、ある程度明確にしたい」と、開幕以降もローテーションを巡る競争は続きそうな雰囲気だ。

 6番手争いに名前が挙がるのは武田翔太投手、高橋礼投手、有原航平投手、ジョー・ガンケル投手、板東湧梧投手だ。しかし、6枠の開幕ローテ争いに敗れても、イコール開幕1軍を逃すということではない。齋藤学投手コーチは「枠は決まっているけど」とした上で「投手の登録は15人になるので(毎試合)中継ぎを1人あげる(ベンチ外)状態になるので。そこをうまく活用したい」と“第2先発プラン”があることを明かした。

 オープン戦でいえば、和田と板東、有原とガンケルが同じ日に投げ合ってきた。和田の開幕ローテ入りが決まったからといって、板東に可能性が消えたわけではなく、齋藤学コーチは「まだ日程の調整はいくらでもきくので(どの投手もベンチ入りの)可能性はあります」と強調する。ファームの試合も使ってイニングを消化し、最善の形で開幕を目指している。

 先発からブルペンに“仕事場”を移す投手がいれば、当然リリーフの競争も激しくなる。守護神はロベルト・オスナ投手に決まっているが、WBCにキューバ代表として参加しているリバン・モイネロ投手の1軍合流時期はまだ不透明。オープン戦での登板予定はなく、帰国してからも2軍戦登板を挟んでから1軍合流となる見込みだ。齋藤学コーチは「入ってくるのが今月の最後くらいかなと思いますけど、確定ではない」と話す。

 特に競争が激しいのが「7回の男」だ。松本裕樹投手、又吉克樹投手、津森宥紀投手らが候補に挙がってきたが、斎藤学コーチは「決められる選手が出てくればいいですけど、みんなで負担を少なくしつつとは思っています」とバリエーションを持たせて起用する考え。その上で「本当は固定した方が楽。投げている方も、僕らも。勝っているならいくものだと思って、リズムも作りやすくなっていくんだけど。現状ではそこは確立していない」と続けていた。

(竹村岳 / Gaku Takemura)